石破地方創生担当大臣と日本商工会議所との懇談会について

石破地方創生担当大臣と日本商工会議所が行った懇談会の内容について、周知要請がございましたのでお知らせ致します。

 

懇談会の内容は以下の通りです。

日本商工会議所は15日、「石破地方創生担当大臣と日本商工会議所との懇談会」を開催した。

内閣府からは石破茂地方創生担当大臣、平将明副大臣、小泉進次郎大臣政務官、伊藤達也大臣補佐官など幹部9名が出席。日本商工会議所からは、三村会頭(東京・会頭)、佐藤副会頭(大阪・会頭)、岡谷副会頭(名古屋・会頭)、佐々木副会頭(横浜・会頭)、立石副会頭(京都・会頭)、大橋副会頭(神戸・会頭)、高向副会頭(札幌・会頭)、竹崎副会頭(高松・会頭)、鎌田副会頭(仙台・会頭)、深山副会頭(広島・会頭)、末吉副会頭(福岡・

会頭)など14名が出席した。

 

冒頭、三村会頭が挨拶し、以下のように述べた。

・全国125万会員、514商工会議所では、これまでも「まちの活性化」、地方の「しごと」と「ひと」の創出に努力してきた。「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と「総合戦略」の実現に、商工会議所をあげて協力する。

・地方における観光・農林水産業・大学など、十分に活用しきれていない資源を、いかに若者の働く場につなげていくかが鍵。

・成長の足枷となっている規制改革の断行や、社会保障財源の少子化対策への思い切ったシフトなど、安定政権でなければできない、痛みを伴う政策を進めていただきたい。

・地方創生は、地方の危機意識、主体性、創意と熱意なくして成しえない。商工会議所は、地域の中核として、地方の創生に協力する。政府には、民間の活動を後押ししていただきたい。

続いて、石破大臣から、次のような発言があった。

・今回の地方創生の取り組みは、「中央と地方」、「政府と民間」といった国のかたちを根本から変える取り組み。「今やらないと、国が危ない」という危機意識を共有し、あらゆる人々が一緒になって挑戦しなければならない。

・「長期ビジョン」は、「2060年に人口1億人維持」を目指すもの。「国の総合戦略」は、「長期ビジョン」を踏まえて、2020年まで当面5年間の国の政策パッケージを示すものである。

・かつて、地方は、公共事業と企業誘致によって雇用と所得を確保することで栄えてきたが、今や、公共事業で地域経済を支えるのは極めて困難。地域に「しごと」と「ひと」の好循環を作り、それを支える「まち」を作る必要がある。

・国のビジョンと戦略を踏まえ、市町村を含むすべての自治体に「人口ビジョン」と「総合戦略」を平成28年3月までに策定いただく。法律上は「努力義務」であるが、市町村にまで「努力義務」を課すのは極めて異例のこと。地域によってバラつきが出ないようにするには、都道府県の役割が重要。

 

・戦略策定のための国からの支援は3つ。1つ目は、「ヒト・モノ・カネ」がどのように地域を出入りしているかを分析した「ビッグデータ」を「地域経済分析システム」として国から提供する「情報支援」。

・2つ目は、戦略に基づく取り組みを支援する、交付金などの「財政支援」。

・3つ目は、小規模市町村に国家公務員を派遣する「地方創生人材支援制度」と共に、霞ヶ関が市町村ごとの担当者を「地方創生コンシェルジュ制度」として配置する「人的支援」。

・戦略のPDCAが、しっかりと機能するよう、戦略の策定段階から、地域の「産・官・学・金・労・言(げん)」(注:「言」は「言論」。地元紙等の報道機関を指す)」が一体となって取り組んでほしい。また、KPI(業績評価指標)も各市町村に作っていただく。

・地域にいかに雇用を増やし、正社員を増やせるかが鍵。育休・年休・残業・地域限定社員・転勤などの実態調査を行いたい。

・東京を潰して地方を引き上げようということではない。東京と地方がWin-Winになるには、どうしたらよいか考えたい。

・人手不足は地方でこそ起こっている。本当に人が足りないのに加え、仕事がある場合でもミスマッチがあるのではないか。就職したいと思ってもらえるよう、特に地方のサービス業の生産性や賃金の向上を図りたい。

・地方創生を、「時限性」を持った「国民運動」にできるかが鍵である。

 

続いて、日商副会頭から、以下の発言があった。

・外国人観光客の経済効果が、一都市のみならず、地域全体に波及している。こうした「核」となる都市を強化すべき。

・学生が地方にとどまるような仕組みを考えられないか。

・農林水産業・医療・エネルギー分野等における「岩盤規制」の打破が不可欠。

・職住一体・地産地消・内需型経済の確立が必要。

・特区推進や規制緩和のスピードアップに期待する。

・社会資本整備により、不動産・設備投資・人の流入に好影響。

・官民挙げて少子化対策に取り組んでいる。

・風評のため外国人観光客が戻って来ていない。インバウンドへの格別な後押しを。

・後継者不足・事業所数減少に対応するため、事業承継と伴走型支援を強化している。災害対策としての道路網の早期整備も必要。

・大学進学を機に上京してしまう例が多い。大企業の本社が移転して来ても、単身赴任が多く、長期的人口増につながらない。

 

これに対し、内閣府側から、以下のとおり発言があった。

・規制緩和にしっかり取り組んで行く。地方創生と戦略特区は一体と考えている。

・風評対策については、3月に仙台で開催される「国連防災世界会議」に、世界からVIPが多数訪日する機会をとらえ、放射線量の低さ等の客観データを基に正しい理解を促していきたい。

・これまでのように、勘・経験・思い込みに頼るのではなく、「ビッグデータ」などの客観的な情報を用いて、効果的で持続可能な施策を打ち出していきたい。

 

最後に、石破大臣から、「本懇談会での話を、全国すべての商工会議所に、速やかに伝えていただき、さらに会員企業にも伝えていただきたい」との要請があった。

 


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