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時代は変化していく。私たちは便利さと引き替えに失ってきたものも多い。ただ日奈久は違う。明治、大正、昭和と時代を感じさせる木造の旅館が今もなお残り、時を経てもなお味わいを深め、私たちに新しい発見を与えてくれる。床の間や天井、飾り障子、細工など、油断していると見逃してしまいそうなほど、細部にまで日奈久の技が宿っている。旅館の廊下を少し歩いては障子にみとれ、階段を上がっては手すりが気になり…質問ばかりしていたが、女将は笑顔で応えてくれた。どうやら日奈久には、匠の技ともてなす心がしっかりと根づいているようだ。 |
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柳屋 昔、海が埋め立てられる前にはこの窓から漁にでる船がいくつも見えたという。当時の様子が格子のデザインとして記憶を刻む。大広間の松竹梅の欄間も見事。 |
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希少な木造三階建ての旅館をはじめ、内庭や吹き抜けが見事な旅館や、増築を幾重にも重ねた立体迷路のような旅館など、日奈久ならではの旅館建築が楽しめる。お気に入りの旅館でくつろぎ、温泉につかり、とれたての海の幸に舌鼓…思わず顔がほころぶ贅沢がここにある。 |
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泉屋 見事な飾り障子に囲まれた部屋。天井が曲線をもって上げられた「折上げ格天井」が格式の高さを物語る。 |
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金波楼 明治末期の和と洋をモダンに組み合わせた旅館。作り手の遊び心が伺える。玄関から中庭を廻る回廊は見所の一つ。 |
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磨き込まれ、黒光りする階段 |
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旅館の夜といえば、やっぱり宴会。ど派手な仕掛けはいらない。ただお客さんの合いの手があれば充分。昭和時代、新婚旅行や社員旅行として多くの人々が集まり、騒いだであろうステージは今も現役。日奈久の熱い夜は続く。 |
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ひらやホテル 演歌、昭和歌謡、そしてどじょうすくい。そんな王道の宴会が堪能できる正統派宴会空間。 |
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不知火ホテル ドレス、ワンピースにセーラ服…そう、ここはコスプレ(仮装)ができる宴会場。 |
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あたらし屋 ミラーボールに、畳に、ちょうちん。絶妙なバランスで今と昔が融合する。 |
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骨董品に飛行機のプロペラ、祠、あざらしの剥製など、明治、大正から続く旅館には、たくさんの名品、珍品が眠っている。「?」と思ったら、ぜひお尋ねを。そこには、思いがけない宿の歴史やこだわり、想いが込められているのだ。 |
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あたらし屋 旅館の中になんと神社が。
昔から地元の神様を大事にする風習が日奈久に根付いている。 |
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鏡屋 玄関に飾ってあるのは、特大のしめ縄?!じゃなくて飛行機のプロペラ。木製のプロペラはご主人の亡くなったおじさんが大正時代に乗っていた飛行機のもので、思い出の品。ご主人もまた、戦時中に飛行機に乗っていた経験をお持ちとか。 |
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宝泉 いらっしゃいませと迎えてくれたのは、看板娘の剥製たち。「日奈久のごまちゃん」がいる個室もあるそうで…目があったら挨拶をしよう。 |
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