八代特産・晩白柚は1930年に台湾から輸入した苗と在来のザボンの掛け合わせによって生まれた世界最大の柑橘類です。今では、八代地域とその周辺は日本随一の産地となりました。
晩白柚のやんわりと甘酸っぱいなんともいえないさわやかな香り、
酸味とバランスよく存在する甘味、肉厚でサクサクとした歯ざわり…
地元の人たちは晩白柚の季節(冬)になると、そのまま食すことはもちろん、晩白柚でお菓子をつくったり、旅館では温泉に丸ごとぷかぷかと浮かべた「晩白柚風呂」を実施したりと、様々な楽しみ方をしています。
▼九州の食卓2013冬号
▼日経トレンディ2014.2月号
▼女性自身2013.9月号
地域で大切に守り育ててきた晩白柚。冬の晩白柚シーズン以外にも、年中いつでもこの豊かな香りを楽しめるように… と誕生したのがこの晩白柚アロマです。
日奈久温泉の旅館女将たちが力を合わせ、旅館などでデザートに提供された後、破棄されていた未活用の晩白柚の果皮を多量に集め、平成21年熊本高専より提供された「水蒸気蒸留装置」を使用し、アロマオイルの抽出に成功しました。その後、「八代育ち晩白柚せっけん“ゆ”」や「ばんぺいゆ風呂の”かほり”(浴用化粧料)」など、地域の人たちの手によって、次々と晩白柚アロマを使用した商品が生み出されています。
平成21年に熊本高専八代キャンパスの技術協力により水蒸気蒸留装置による晩白柚アロマオイル(精油)の抽出に成功しました。晩白柚精油の主成分は柑橘系のd-limoneneで、他の柑橘類に比べて強い風味で鎮静作用のあるβ-myrceneの含有量が高いことが特徴です。1kgの晩白柚果皮より10ccしか取れない大変希少な精油です。
晩白柚製油の詳細
●植物の名前:晩白柚
●科 名:ミカン科
●産 地:熊本県八代市
●植物の説明:ミカン科の常緑低木で原産はマレー半島。
果実が非常に大きく直径で20~25センチ、
重さは1.5~3キログラムにもなる。
●香りの種類:柑橘系
●香りの特徴:すっきりとした甘酸っぱさが特徴の爽快な香り
●ノ ー ト:トップ(最初ににおい立ち、比較的持続性の短い精油)
●成 分:d-limonene、β-myrcene、citral、β-terpineneなど
●採油方法 :果皮の水蒸気蒸留法
成分名 | 割合(%) | 特徴 |
---|---|---|
d-limonene | 42.68 | 柑橘類 |
β-myrcene | 34.47 | 強い風味 鎮静作用 |
citral | 2.97 | レモン臭 |
β-terpinene | 2.02 |
① 毎年11月ごろより収獲される晩白柚はハウスの中で色づけの ために、日にあてられます。その後は一つ一つ皮むき作業をします。薄く皮をむくため、ピーラーで手作業を行います。 |
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② 熊本高等専門学校八代キャンパ スの協力で作製した晩白柚果皮 からオイルを抽出する蒸留装置 です。 |
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③ 約2時間かけて蒸留した精油とフローラルウォーターをスポイトで精油の部分だけを吸い取り ます。 |
④ 抽出された精油とフローラルウォーターです。晩白柚は1kgの果皮より約10mlの精油しか抽出されません。 |
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⑤ 晩白柚果皮粉末と抽出された精油とやわらかい泉質で美人の湯といわれる日奈久温泉水を練り こんで完成します。 |
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⑥ 晩白柚せっけん「ゆ」のできあがり。 |